「夜と霧 ドイツ強制収容所の体験記録」

人生からの期待に応える

ポーランドの美しい古都「クラクフ」を訪れたことがあります。

人々がピアノの詩人、ショパンのノクターンに耳を傾けたであろう古都クラクフを離れ、郊外に向かうと、恐ろしい強制収容所のアウシュビッツが見えてきます。

「夜と霧」の著者、心理学者のフランクルが、強制収容所という絶望的な状況にも拘わらず生き延びることができたのは、「自らの期待」の実現を祈ったからではありませんでした。

「人生からの期待」に応える責任を強く意識したからでした。

クリスマスに解放されると思い込んだ人々は、クリスマスが過ぎると生きる意味を失いました。

しかし、自分の家族、自分の仕事に対する責任を強く意識した人々は、どのような苦悩にも打ち勝つことができました。

フランクルの場合は研究した成果を出版し、社会に貢献するという強い責任感が生きる支えになりました。

志を確立すると、どのような困難も乗り越えられる。 私が若い時に読み、感銘を受けた本です。